腎不全の方のための透析治療

腎臓には、体の中の老廃物を体外に排出するという、
大切な働きがあります。

この働きが悪くなることを「腎不全」といいますが、
腎不全が慢性してしまうと、老廃物の排出ができませんから、
命に関わる事態となります。

そこで、血液を人工透析器でキレイにする必要が出てきます。

体の中の血液を、一度外に出してきれいにしてから、
体の中に戻す、これが透析ですね。

慢性腎不全の場合、完治する可能性がないため、
透析が始まると一生の付き合いになります。

腎不全の症状によって違いはあるものの、
平均すると週3回の透析が必要となります。

1回の透析時間は数時間ですから、
その間は何かをすることはできません。

かなり大変な治療ですね。

そして、透析中は、身体状態が急激に変化することがあります。

血圧の低下など突然のアクシデントにも、
看護師は柔軟に対応しなければなりません。

しかも、腎不全の患者さんは、腎臓の働きが悪いだけでなく、
様々な合併症を引き起こしやすくなります。

腎不全は糖尿病の合併症としても知られていますが、
糖尿病を患っている人は、それ以外の合併症も、
引き起こしやすいのです。

透析中だけでなく、合併症の予防や早期発見にも、
看護師は気を配る必要があります。

また、腎不全の透析治療は、人工透析だけではありません。

通院して、透析治療を受けても、食事や運動など、
生活習慣への心配りが無ければ、
症状は悪化してしまいます。

ですから、透析現場で働く看護師は、
透析を受けている患者さんへの健康指導も重要です。

腎不全は一生付き合っていかなければならない病気ですから、
透析だけでなく患者さんの精神的なケアも、
治療のひとつといえますし、透析看護師の大切な仕事ですね。